日本人に好きな人が多いと言われる〝印象派〟を代表する画家のひとりモネ。
代表作は「睡蓮」と聞けば、ボンヤリと思い浮かぶ方も多いのでは?
自宅の庭を日本風に整え、池を睡蓮でいっぱいにするほど日本が好きだったそう♡
戸外制作を重視し、美しい風景画をたくさん残しています。
今回はモネという人物や、生涯を掘り下げることはせずに
モネ先生の風景画から、盗めるところは盗んじゃおうといった企画
(タイトルは一応「学ぶ」ということに…笑)。
四切り画用紙と水彩絵の具(クレパスやマーカーは封印)を使って、お約束は二つ。
◯遠くと近くの景色を描く
◯春らしい景色を描く
今まで描いてきた〝地平線上に人や物が一直線に並んでいる絵〟と
〝奥行き(遠近感)のある絵〟の違いを、レッスンの始めに考えてみました。
そしてモネ先生の風景画をみんなで観察してみて、遠くと近くでどんな差を付けたら
より遠近感が出せるかを少しだけアドバイス!
今回はサムネイルは描かず、画用紙にいきなり鉛筆で下書きしてみます。
画用紙を(縦・横)好きな向きに置いて、詳細な書込みも必要ありませんから
ササッと下書きを済ませ、すぐに絵の具の準備にかかりました。
夏休み課題画の予行練習も兼ねて、75分×2回のレッスンで完成まで持ってくよ〜!
水彩絵の具だけで、四切りの大きさに余白を残さず塗ることに加え
遠近感を表現することは、実は1〜2年生にはとても難易度の高いことなのです。
私はいつも、自分流の「失敗が少ない方法」として
背景から塗ることをオススメしています(その理由も子ども達には説明済み)♪
一番遠いところから塗っていくことにしましたが
自分の目で景色を見た時と同じように、遠くはボンヤリ不鮮明で大丈夫!
絵の具に対し水の量を多めにして、チューブから出したままの原色も避けたほうが良さそう〜
奥から手前に順番に色を重ねて、少し難しいですが上手く水の量を減らしていけば
自然と手前の景色がハッキリしてきます☆
描き込みも、奥より手前をしっかりと!
それから、モチーフが持つ〝線の流れ〟を感じることも大切です。
例えば空は横向きに、木の幹は縦向きに筆を運び
川は水の流れの向きに沿って、山は裾野へ向かって広がっていくように…
ただ塗りつぶせば良いのではなく、筆を動かす向きを意識すると
子ども達の絵はずいぶんと変わってきますよ!
半分の面積が塗れた辺りで1回目が終わり、2回目のレッスンは
みんなの絵を見るところから始めました。
全員に良いところがあるので、それをキチンと伝えてから大切なお話を続けます。
自分の絵を離れたところから見たり、鏡に写して見たり
客観的に見る回数を、できればたくさんにしてください。
私が教えたやり方は、あくまでも方法の一つであって、必ず守る必要はありません。
何度も言ってきたようにアートには正解も不正解もないので
(お約束を守るのは大切ですが)自分のやりやすい方法でOK☆
背景から塗るほうが先生はやりやすいですが、そこには落とし穴もあると言っています。
メインの物を塗る時まで、集中力を持続させるのが難しいところ。
疲れたら、その日はそこでやめて無理はしません。
次に続きを描く時は、最も集中できる初っ端にメインを描くのも良いですよ♪
今回は「次はどこ塗ったらいい?」と聞かずに、それぞれの好きなところからどうぞ〜
空に浮かぶ雲や生い茂った木は、何度もやってきた塗り方で
筆で紙をトントンと叩くようにして、モコモコ感を出していきましょう!
応用として、絵の中に太陽がある方向を決め
光が当たっている部分と、影になっている部分を塗り分けられたら最高です☆
クリスマス作品「シックに魅せる! ナチュラルリース」を思い出して〜
葉っぱの緑を明るくしたり、暗くしたりする方法、覚えているかな?
草原やお花畑の塗り方は、モネ先生の絵にヒントがいっぱい!!
何度でも、お手本として見てみよう!
お喋りにもたくさん花が咲いたけど(笑)みんな、手は止めないで頑張りました!
一番お姉さんのAちゃんが
「先生、間に合えへん!完成せぇへんかったらどうなんの〜?」と言ったので
「将来有名になった時に『未完』と書いて飾られることになるで、恥ずかしいで〜」
と、回答しておきました♪
その後Aちゃんは、封印したはずのクレパスを出してきて塗り込み、水を含ませた筆で
水性クレパスの線をボカし、みんなが見ていないうちに仕上げましたとさ♡
「春らしい景色」ゆえに、桜を描いた子はもちろんですが
夕焼け空に塗った子が意外と多くて、面白かったです!
1年生は途中で投げ出しそうな場面もあったけど、最後までやり抜いて立派☆
春=新学年だからかな?…
みんなが自然を描く中、学校(都会)を描いた子が一人いて、とても新鮮でした!
間もなく春!
みんな絵も上手に、身体も大きくなったね〜♡
〈written by Keiko〉
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